
キネマの神様 (文春文庫)
『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ
』などで知られる、原田マハ著。
映画化に伴い、本屋さんで平置きになっていたのを購入しました。
先にいっておくと、映画は未見ですがCMやメディア情報から推察するに、
「映画の原作」ではありません。多分ですが、山田洋次監督がタイトルが気に入って使用した感じではないかと思います。
(登場人物の名前は同じですけど、ゴウは元業界の人ではなく純粋な映画ファンです。)
『キネマの神様』のあらすじ
40歳を前に、理不尽な扱いを受け会社をやめたサチ。
悪いことは重なるもので、父親のゴウが倒れたと知らせが入る。
ゴウはギャンブル依存症で、病気も悪くなっているのに自身を大切にしてくれません。
そんな彼に付き合いきれず、妻はもう疲れ切っていました。
家族はバラバラになる寸前。
ゴウは大の映画好きで、感想をノートに書き留めていました。とあるきっかけで、その文章を映画配給会社のブログに載せることになり、ブログはたちまち映画ファンを虜にします。
人気になったブログ「キネマの神様」は、サチの会社時代の後輩の協力で、英語版を配信することになって…。
『キネマの神様』の感想
ブログがメディア戦略の最先端だった時代のお話です。
今だったら、インスタとかに変わるのかしら、だったら話も変わってくるな、と考えつつ読みました。
映画のへの愛と文才のあったゴウのブログは、実際にあれば読んでみたいほど魅力的。
特に、サチが見つけてブログ開設のきっかけになった文章は、何度も読み返したくなります。
作中に出てくる映画は、もっとマニアックで難しいものが出てくるのかと身構えていました。
しかし、「フィールド・オブ・ドリームス」や「ニュー・シネマ・パラダイス」など誰もが知る名作ばかりで、親近感がわきます。
後半の、ブログ「キネマの神様」が引き起こす奇跡については、夢があって素晴らしいの一言。
ブログをやっている身としては、羨ましい限りです。・v・イイナ
『キネマの神様』本と映画は別物だと思ったほうが良いですね
志村けんさん出演予定だった映画として、話題になっている映画「キネマの神様」。
原作はこちらの『キネマの神様』となっています。
しかし、CMや映画情報を見る限りでは「別物」と思ったほうが良いようです。
本作ではゴウは元映画関係者じゃないし、女優さんと甘酸っぱい関係だったこともありません。
推測ですが、山田洋次監督がこの『キネマの神様』というタイトルを気に入って使いたかっただけではないでしょうか。ややこしいな、とは思いますが、相乗効果で本を読む人が増えるといいな。
『キネマの神様』は読後感も良い良作ですので!
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