『おいしいごはんが食べられますように』読書感想文〜ここが黒いよ!芦川さん!〜

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今更ですが読了しました。
『おいしいごはんが食べられますように』。

心のざわつきが止まらない、と帯にありましたが、本当にその通りで
ゾワゾワも止まらないので、文章でまとめて吐き出そうと思います。

※読書感想文なので、未読の方はご遠慮くださいね。

芦川さんの描写がリアルで苦々しい記憶が蘇る

おそらくどこの職場にも、芦川さんのような人っていますよね。
弱々しくて、守ってもらうタイプの人。
「できないのは、仕方ない。できる人がしてあげたらいいじゃない。」
って言ってもらえる人。

この人の描写がリアルすぎて、読んでいて苦虫を噛み潰したような顔になってしまいました。

芦川さんはさ、いいですよね。
仕方ないね〜、で早退させてもらえて、お詫びにお菓子作ればチヤホヤしてもらえて。

でもそれって、芦川さんのできなかった分の仕事を振られて人には堪らないんですよね。
本作では押尾さんになるのでしょうか。
それとも、お菓子を捨てていた誰かも苦々しく思っていたのかも。

給料は一緒なのに、実際にこなす仕事量が倍ほど違う。
でもそれに愚痴を言おうものなら、なぜかこちらが攻撃される。
なぜかって?全て芦川さんの計算通りだからです。

あんな化け物は敵に回してはいけない。
かといって、味方にもなってはいけない。(仕事が増えるから)
そっと遠くで舌打ちするくらいが丁度良いのです。今ならわかる。

ああ、思い出すだに苦々しい!
私の前職の職場にもいました。芦川さんタイプ。
弱々しい雰囲気を醸し出しつつ、上司や強い立場の人間をしっかりと味方につけ、
誰にも文句を言わせない人。

全て計算づくで、どのタイミングで泣いたらいいかとか、全部わかってる。
誰が自分を嫌いかも、全部わかった上で行動する。

芦川さんがどのくらい腹黒黒川さんなのか、書き出していこうと思います。

『おいしいごはんが食べられますように』ここが黒いよ!芦川さん!

上司のおっさんが口をつけたペットボトルを目の前で飲めちゃう

冒頭のあのシーン真っ黒でしたよね。
この場面見たら、自分なら芦川さんを敵になんて回しません。
「藤さんが口をつけても、私は全然気にしませんよ(ハート)」

上司を味方として繋ぎ止めておくためとはいえ、こんなことさらりと出来る人間は恐ろしい。
距離をとって関わらない方がいいやつです。

上司のおっさんを抱き締めるのなんて朝飯前!

なんじゃ、それ。って反吐が出そうでしたね。
芦川さん怖すぎる。

頭痛で早退できるってメンタル強すぎる

そもそも、頭痛で早退する人って、しっかりきっちり自分の権利を訴えて押し通す
メンタルが強靭な人なんですよ。

普通は薬飲んで、やり過ごして、与えられた仕事はこなそうとするじゃないですか。押尾さんみたいに。

でも、みんながそうやって仕事をしている中で、「だって頭痛いんだから、仕事できないです。」
って帰れるって並の人間じゃないのです。

研修も、苦手だから受けないです。だって苦手なので。
でやっていけてしまう人。

メンタルが強靭すぎる。
嫌でも頑張っちゃう押尾さんとはステージが違うのです。
繰り返しますが、こんな人は相手をしてはいけません。

「へー、そっか〜」でやり過ごすのです。

お詫びで作ったお菓子なのに、材料費を受け取っちゃう

受け取ります??!あの場面!!!苦々しすぎて、下唇を噛んじゃいましたよ、読みながら!

頭痛いので早退します

お詫びに「手作りの」お菓子差し上げます(ハート)

えー?材料費ですか?多すぎます〜!
でも皆さんに喜んでもらえるように頑張ります〜!

いや、拒否しろよ!!!
メンタル強くて、自分のやりたいこと押し通す力があるのに、ここは「流されて」受け取るこの感じ!
つまりは「もらって当然」と思ってるのがスケスケですよ!芦川さん!

「足りない」ってわかっててホールケーキ持ってくる

この場面も、えぐかったですよね。

「お詫び」のホールケーキ!ジャジャーン!

「人数分に足りなくないですか?」

「あ、そうなんですよ。」

「そうなんですよ」?????

ええ、そうなんですよ。人数分には足りないんですけどね、
でも私、綺麗なホールケーキをナッペして作れるので、それを見せないといけないじゃないですか?

の、「そうなんですよ」ですよね、芦川さん。すごいや、芦川さん。
もう「お詫びのケーキ」っていうか、「手作り自慢のケーキ」だね!

机の上に捨てられたお菓子があってもキニシナイ

私はわかっていた。
芦川さんは、それを発見しても顔色ひとつ変えないって。

「コピー用紙?あ、なんか下に置いてあるのを隠してるのか。
…ふーん。私のお菓子ね。ハイハイ。ポイ。」

お菓子が捨てられてた、くらいで動じるわけないんです。
このメンタル最強黒川さんは。

でも、「捨てられたお菓子が机にあった」という事実は使わせてもらいます。
私を嫌いな人で、しかも攻撃を仕掛けてくる人は排除しないといけないので。

きっとそんな感じ。
芦川さんサイドが描かれてないから、想像するしかないけれど。

絶対家で泣いてなんかないわ。絶対。

後輩が泥だらけで猫を救ってる間自分は傘をさす

だって、濡れちゃうもの。
っていうか、「猫を救いたい可愛い私」を男の人に見せたいのに、
なんでこの子頑張っちゃってるの?

雨降ってきちゃったじゃん。

って声が私には聞こえた。(震える)

自分で仕掛けて吊し上げて退職する人にもケーキは作るよ!

だって私って、とっても心が清いから!
あんなことがあっても、気にしてないよ!(キラキラ)

怖かったですね〜。
お店でケーキが出てきた時・・・
なんだあれ、ホラーか。幽霊より怖いわ。

「プレートにも、しっかりお名前書くよ!なぜか押尾さんいないけど、全然気にせず出すね!
だって私が作った美しいケーキだから!」

怖い〜。こんなのに勝てるわけないのに、押尾さん・・
若いんだから。(泣)でも送迎会に参加しないのはすごくよかった。
参加してたら、今度こそ吐いちゃってたんじゃないかしら。

メンタルつよつよ女子・芦川さんとメンタル強め美女白川さんが重なって見えた

この本を読むとき、芦川さんのイメージがなんとなく
『メンタル強め美女白川さん』とダブりました。

白川さんは、お名前の通り白い方向にメンタルが強いのだけれど、
芦川さんは、なんていうか彼女のメンタルの方向が真逆バージョンのような気がしたのです。

華奢で可愛いけど、自分の芯は通す感じとか、キラキラした感じがそっくり。
メンタルのベクトルが真逆だけれど、白川さんがダークサイド落ちしたら芦川さんなのでは、と想像してしまったのです。

私は白川さんタイプも苦手なのだけれど・・・。(小声)

読んでいて、過去の記憶が蘇って神経がすり減る本でした。(褒めてます)
つ、疲れた・・・。

『おいしいごはんが食べられますように』はAmazonのオーディブルでもサービスが提供されていますよ!音声だともっと怖そうですね。( ´ ▽ ` )

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