『沈黙のパレード』おすすめポイントと読書感想文〜容疑者Xの献身がお好きなら是非〜

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雑記

『沈黙のパレード』アマゾンより

東野圭吾先生の作品を読むのは、久しぶりでした。


沈黙のパレード (文春文庫 ひ 13-13)

面白かったので、ネタバレせずに
おすすめポイントと読書感想文をまとめます。

『沈黙のパレード』のあらすじ

静岡のゴミ屋敷が火事になり、そこから2体の遺体が発見された。
いずれも火事の以前に亡くなっており、一体はゴミ屋敷の住人の老婆で
もう一体は3年前に行方不明になった東京都の女性のものだった。

女性殺害の容疑者は、19年前に新人だった草薙が逮捕したものの、
黙秘権を貫き無罪になった人物で…。

『沈黙のパレード』おすすめポイント

私は『容疑者Xの献身』がとんでもなく好きなのです。
しばらく東野作品からは、離れていたのですが
帯に「容疑者Xは・・・」の一文があったので本作をジャケ買いしました。

そのくらい好き。

作中に、湯川先生が石神の事件について触れるシーンがあります。
あの事件を、石神の慟哭を聞いた後、湯川がどのように考えていたのかが、伺える場面です。

その部分があるだけで、この本はおすすめです。
本作は、登場人物たちの想いに涙するという感想を散見しますが
正直、他の部分では泣かず、この部分だけ泣きました。

『沈黙のパレード』読書感想文

黙秘権の有用性について、深く考えさせられる作品でした。

そして、正直で「良い人」ばかりが損をするシステムだな、とも。
ほとんど真っ黒でも、自白がなければ無罪になり、
最低な人間なのにのうのうと生き、また周りの人間を傷つけ続ける。

そんな人間に限って、狡猾で、甘い汁を吸って生きる。
うんざりするほど、リアルな描写でした。

殺害のトリックは、私は最初の分で見事に引っかかり
「あー、エレメンタリーで見たことがある○○を使ったやつでしょ?」
などとたかを括っていたのですが、なるほど!と。

さすがガリレオシリーズ。化学的なトリックも見事でした。

しかし、本作の本当のトリック(?)は、そこではなく、ラストですよね。
なるほどなー。それで蓮沼は菊野に帰ってきたのか、と膝を打ったものの。

ここでも、やはり、正直で真っ当な人間が損をしていましたね。
自分だったら「はい?それ、なんのことですか?」で貫き通して、相手の妄想ということにしちゃいます。

「証拠でもあるの?」と。

良い人だし、良心の呵責に耐えられなかったんですよね。
正義ってなんなのか、真実っていつも正しいとは限らないし、幸せになるとも限らないよな、
あの人が、ちょっとだけ悪党の素質があったら違ったのかな、などと切ない気持ちになりました。

映画も良いのよ…。幸せって、真実って、正義って?とぐるぐると考えさせられます。

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